11.25(月)最高気温14度 晴れ
朝ぐだぐだとした後に作業。寒すぎてベッドにいる時間が長くなる。暖房をつけて寝ればいいのだけれど、昨年の暖房代のことを思い出し躊躇ってしまう。お湯を飲んでお腹を湯たんぽにするにも限界があるし、物価高も酷いし、もう何でこんな風にと腹立たしくなる。
休憩時間に『プリシラ』を観た。時の大スター、プレスリーに「見初められて」結婚した元妻プリシラの物語。彼女がプレスリーと出会ったときはまだ14歳だし、まだ何もわからぬまま学校を卒業したら家族の反対を押し切って彼のところへ行っているし、髪型もメイクも服も彼の言うとおりにしてと従順ですごく切なかった。この作品を観る人たちが「プリシラ、なんでこんなばかやっちゃってるの!」と抱きしめてあげる人ばかりだといいな。
『愛は時間がかかる』がすばらしかった植本一子の本が届いていると連絡があり、図書館へ行く支度をした。とても乾燥しているのでバームを顔に塗り、のど飴も忍ばせて。
11.26(火)最高気温14度 曇りのち雨
冬はお金がかかる。乾燥肌なので、いつもよりケア用品にお金をかける。資本主義が「ボーナスの時期」にお金を使わせようと魅力的な広告を打ってくる。いつもならひょいとかわせる攻撃がかわせず、ついつい使ってしまう。寒いのでお茶を飲むにもどこかお店に入らざるを得なくなる、家も寒いので暖房をつける、さらに値上げ。
冬を見越して貯金とかしておけばいいのだろうけれど、あまりにも不憫。小さな幸せをもっともっと蓄えられるように国はちゃんとするべきだ。電気代と食費は切実な問題なので本当に下げて欲しい。最近も好きだった飲食店が閉店した。店の前の貼り紙をよく読んだら、今の日本の景気に触れてあった。当然だ。毒づいてるわけじゃないよ、ただの事実。
『ふたりで終わらせる』を観に六本木へ。私はこの街を「庶民は何も買うことが出来ない」と忌嫌っている。森ビルを建設するときに、従業員が住民の生活に入り込み説得したという逸話があまりにも有名な街。でもここの映画館はいつも空いてるし、使いやすいんだよね。美術館もたくさんあるし、なんだかんだ来てしまうところだったりする。
映画はよかった。主人公のリリーは地元で花屋をオープンするという夢を持ち、実家に帰って来た。父が死に、母親と小さく揉め、入ったビルの屋上でたそがれていたところ、脳外科医のライルと出会い、恋に落ちる。花屋の開店も順調で、幸せなリリーだったけれど、入ったレストランでかつて好きだったアトラスと再会するという話。
先に注意喚起をしますが、この作品には暴力の描写があります。「愛だと錯覚したもの」が、実は暴力と支配だったということがこの作品の主題で、そこからいかに逃げるか、連鎖を断ち切るかというストーリー。最後に一気にネタバレしていく様子は『愛してる、愛してない…』を思い出したけれど、この作品、どういう話だったっけ。
チャン・ウェイの展示を観にギャラリーへ。相変わらず光と孤独の表現が上手い作家の作品を久しぶりに観た。コロナ禍を経て、という気持ちになる。強制的にみんなが一人にならなければいけなかったあの時間のことを、もうほとんど忘れているから、その時の作品をもっと観たいな。
ギャラリーから帰る途中に感動的なアートを見て、思わずパチリ。文化芸術が集まる六本木という街の余裕を感じるすばらしいアートだった。
11.27(水)最高気温22度 晴れ
すごく良い天気。午前中に色々終わらせて国会議事堂前に異動。今日は新婦人の集まりがある。議員に交渉し、要望書を出すという活動は年に二回あるらしい。何を着るか悩んだけれど、一応ジャケットの下にブラウスとタートルネックを着た。脱いでもある程度様になるように。昨日買ってあったパンをささっと食べて出かける。
駅の改札を出たところで待ち合わせて人と一緒に。ひとりじゃないから助かった。会議室でジャケットをかけてお茶でも飲むかと思ったら、行くよと言われて行くことになった。私が参加するのは子ども家庭庁とのインターネットエロ広告規制の懇談。
「ワーキングチームを作っています」「リーフレットを配っています」「とにかく家庭で○○してくれ」というアリバイの証明に似た話をされたけれど、結局国としては「昨年から現状把握をがんばっている」だけで何も進んでいないんだろうなという印象。ここ数ヶ月で旧Twitterは大きく変わった。エロ広告というか、半裸の女性がどんどん出てくるようになった。リプ欄にアダルト動画がつけられるのを簡単に見られる。SNSは年齢制限があるといっても、ああいう暴力をずっと見せられるのはたまらない。「性的同意をとってください、拒否を示してください、っていうけれど、広告の中の漫画や動画は拒否しても続けるんです」って言った人がいて、ああ、そうだった。と思い出す。そういうのが嫌でほとんどSNSを見なくなった。というか、見ないようにさせられたという方が正しい。「ゾーニングをして欲しい」という訴えがなぜ聞かれないのか本当に疑問。帰りのエレベーターで「あれ一生無理だろうね」という声にみんなで頷く。同意。
帰る途中で名前を呼ばれて振り返ったら知ってる人がいて思わず「ようやく知ってる人に会えた~~!」と大きな声を出す。もうずっと1人で心細かった。交流会の時に「みかんとバナナどっちがいい?」と言われ、驚きながら「みかんで…」と言ったらみかんをもらえた。「おやつ食べる?」とおやつも。あまりにも貰えるので「あの、私一応お昼食べてきたんです」と言ったら「新婦人ってそういうとこだよ。どんどん食べ物が出てくる」だそうです。
いろんな人の報告を聞いて、本当に議員みんながこちらの声を聞いてくれるわけじゃないんだなと実感してしょんぼりした。しょんぼり続きで言うけれど、今日、議員会館に来て一番ショックだったのは、建物がバリアフリーじゃないっていうことだった。エレベーターしかないし、なかなか来ない。表示は見にくい。受付には女の人が要るけれど、中を歩いているのは健常者のおじさんばかり。こういう所にいたら、何も見なくていいし、見えなくていいだろうなとただ嫌だった。集合写真を撮って、ボーッと国会議事堂を見ていたら、友達とお茶をすることになりすごくうれしかった。
11.28(木)最高気温18度 晴れ
石川で地震が続いている。昨日ばたばたしていたし、一昨日はとても早く寝たから、一昨日の地震のことを新婦人の集まりで知った。ショックだった。今日から天気予報で地震のこともチェックすることにする。冬がもう来ているのに地震。怖いし心細いだろう、という気持ちで少しでも寄り添えたらと思うけれど、うまくいかない。国は支援をする気があるってところを見せてくれ。
昨日の疲れが出て、早く寝ようとしているところによく使う路線が人身事故で停車中とのニュースを見てしまって落ち込んだ。年末は自死が増える。もう全部嫌だ。
11.29(金)最高気温17度 晴れ
なんだか朝からイライラして、人に当たってしまい反省して一日を始めた。なんかスカッとすることはないかなと考えたけれど、あまり思いつかず、栄養たっぷりのご飯を食べようと論点をずらして終わらせた。
11.30(土)最高気温16度 晴れ
ぱしっと起きれたのに、だらだらとする。昨日あんなに熱々にしたと思った湯たんぽがもう冷めていて寂しくなる。それにしても尺は寝たな。もっと寝たいけれど。『ウィル&ハーパー』をベッドの中で観た。すごくよかった。インディアナとテキサスを旅する親友同士の物語だけれど、1人はトランスジェンダーであることをカミングアウトしたハーパー。彼女がこの物語の主役。アメリカは州によって法律も雰囲気も違い、一緒にいるのが有名人ということもあって、好奇の目にさらされることもあるし、ミスジェンダリングもされる。でも、一緒にいる人が絶対味方してくれるというのはとても心強いこと。当たり前だけれど、すごく悩んで性別変更の手続きをし、それは今も続いているんだろうなということが言葉の端々から感じられ、日本で(きっと世界的に)起きている「トランス女性」への差別を申し訳なく思う。トランプが当選したことも含め、どんなに心細いだろう。
やる気が出ないまま本を読んだりして一日を過ごした。先日はにわ展のはがきで実家に手紙を出したのに、何の反応もないので心配になり、母に電話する。母は元気そうだった。ひとしきり実家の近況、主に祖父母の介護のことを聞いた。歩行器を借りたらしく、良かったねと話したりしたあと、思い出したように「そういえば、お母さん今月は二回も映画に行ったの!」と大きい声を出して報告され笑ってしまった。チケットを買うのが最初はうまくできなくて、最初は空いている映画館なのに隣がおじさんだったこと。おじさんで嫌だなと思ったけれど、きっと向こうも困惑しただろうなと思い直したこと。「ああ、あれ慣れないと色が変わっているところが空いてるのかわかんないよね」と相槌を打つ。
「これから月に一度は映画館に行きたい」と嬉しそうに宣言された。映画の内容の話はあまり出なかったから、母の中では一人で遊びに行ったことの方が大きかったのだろうなと想像した。元気そうでよかった。
なんか母の声を聞いて癒されてしまった。あーあ、マザコンなのかも。
12.1(日)最高気温16度 晴れ
今日は友達の歌を聞きに少し遠くまで。レザークリームでつやつやにしたバッグと、お菓子を詰めた袋。ついでにスカートを直しに行かなければいけない。服屋さんで馴染みの店員さんに福砂屋の袋から出したスカートを見せ、ここをああして欲しい、こうして欲しい、いつまでに直すことはできるか教えて欲しい、と伝えた。今日はデニムシャツにデニムのパンツで来たので、ついでにファッションチェックもしてもらい「おしゃれです」と言われたので自信満々になった。デニムonデニムって一歩間違えるとダサくなっちゃって危険だから。
駅前のコンビニでおにぎりを買って、ベンチでパクついた後電車に乗った。目的地までは1時間くらいかかるのでカフェラテも買った。前回この路線に乗った時、結構空いてたので今回もそうだろうと侮っていた。すぐ座れて、どんどん車内も空いてきたのでコーヒーを飲みながら。
現地について、友達と友達のお子さんと合流し、合唱を聞く。詳細は省くけれど、すごく良かった。久しぶりに歌を大きいホールで聞けたし、クリスマスソングを聞けて気持ちも華やいだ。ロビーで友達に美味しいしじみ味噌汁の素を渡して「すごいよかったよ!」と声をかける。味噌汁はコーヒーに擬態したパッケージだったので笑われた。師走だからね。
友達と、お子と一緒にお茶。プリンアラモードとアイスティーを食べる。お子さんは初めて会うので緊張したけれど、きっと向こうのほうがしただろうな。「最近顔がくすんでる気がして」と言ったら「ええっ!」と言われて、まだ小学生のその子にも「ぜんぜん41歳に見えない」と言われる。嬉しかったけれど、なんか言わせた感があって即座に反省した。化粧品の話を頑張ってしたけれど、小学生のことが全然わからず、ついつい大人の話をしてしまった。おしゃべりが止まらなかったけれど、帰りはまた電車に揺られないと行けないので駅の方へ。どこもイルミネーションがクリスマス仕様だね。