カンミ読書(3.2-3.8)
「わたしの思いを声に出そう!あなたの声も聞かせてほしい」すごくいいコールだと思う
2026.3.2(月)最高気温13度 くもり
田仲さんと電車の中で待ち合わせ、トコトコと目的地へ。横浜美術館で評判の展示『いつもとなりにいるから』を観るため。麻婆豆腐の発祥の店で、私は麻婆豆腐、田仲さんはエビチリを食べた。辛いのはへっちゃらだと思っていたけれど、最後の方は汗が噴き出ていた。作れるものを外食で食べるって、もったいない気がしてなかなかやらなかったけれど、色んな麻婆豆腐がきっとあるんだろう。そういう可能性を感じさせるものだった。偉そうに書いたけれど、短く言うと「おいしかった」です。
韓国ルーツの作家のことも、韓国のことも全く知らなかったんだなということが正直な感想。『イムジン河』の発売中止の話とか(理由が想像と全く違ったので読んでみて欲しい)、ナム・ジュン・パイクのこととか。平易な言葉になってもうしわけないけれど、世界も日本も大きく「反戦」を言えた時代ってすごく短くて、自分達は今も「反戦」も「平和」もなかなか言えない時代を生きているというのが正直な感想だ。こんなんでいいの?もうめちゃくちゃじゃん!「反戦」って言いたいよ!!石油備蓄は1年無いし、液化天然ガスは3週間分。これが日本だよ!!「平和」のために動かなくてどうする!!
『いつもとなりにいるから』は、本当に今の展示という感じがして、歴史というものをあまり知らずに来たゆえの差別への加担など、対話の記録が胸に来る。最終章にある≪武蔵美✕朝鮮大 突然、目の前がひらけて≫がよかった。自分が大学生の時に対話だったり、差別、人権に関しての意識がもっとあればなという後悔が先に立つ。同じゼミ生に中国からの留学生がいたが、傷つけなかっただろうか。
当然だけれど、私たちは歴史を選べない。そうなった時に、どういう風に接したら誠実だと感じれるか、友人関係が続くか、子どものころから学んで実践してきたことだと思う。歴史修正主義者ってすごく弱い人たちのことで、きっとその弱さを認めることすらできない。全部虚勢で誤魔化すような人と国に接して生きたくない。そして後世に同じ思いをさせたくない。『武器としての国際人権』でちょうど読んだばかりだけれど、時の政治犯として拘束されていた人に「わたしはあなたの状況を変えられないかもしれないが、あなたが調査に協力してくれたら、あなたの子どもや後の世代に影響を与えられるかもしれない」と話したら「それでいい」と調査に協力されたという話がある。自分も自身が恩恵を受けるのは諦めているけれど、後世が、それこそまーちゃんが少しでも絶望せずに生きれるようにしたい。それだけ。
美術館の中にあるカフェでサバランを食べたら、思いのほかアルコールがびしゃびしゃの正統派だった。本当に良い美術館だったけれど、ゴミ箱だけがぜんぜん無くて、トイレにも無いのが気になった。これから行く人は是非ご注目ください。私の勘違いで、実はあったなら、それに越したことはないよ。
美術館を出たらチワワが二頭いて、ロングスカートを地面にひざまずかせながら触らせてもらう。手も沢山舐めてくれてた。飼い主の人が「ありがとうございます。この子はさみしがりやで、行く気配を察すると吠えちゃうんですけれど」と最初に言ってくれて、吠えられても不安にならずにすんだ。寂しがってもらえるなんて、本当に光栄。
どんなに励まし合って楽しく過ごしても、やっぱり寂しいし、1人になると「現実」に追いつかれて心細かった。そういう気持ちの人が多いということは、何の救いにもならず、悲しいだけだ。
3.3(火)最高気温8度 雨
『嵐が丘』を観てきた。こんなフェティッシュな話でいいの?という端的な感想で行かせてもらいます。だって全然原作への敬意が感じられないっていうか…。どういう風に言っていいのか分かんないんだもん…。
帰りに図書館へ行って本を借りた。最近本も全然読めてない気がする。傘に防水スプレーをかけてきたから、しずくがパンパンと玉状のままで落ちていった。
3.4(水)最高気温16度 晴れ
珍しく多摩方面へ行き、ウィメンズストライキのイベントに参加する。いた人に許可を取っていないので詳しくは書かないけれど、すごくすごくすごく楽しかった!!!みんながお菓子とかいちごを持ち寄っている中、自分の食べるパンしか持って行かず、そこでパンを食べ、おしゃべりをしてお菓子をたらふく貰った。その後みんなでマルジナリア書店へ移動し、立ったままフライドポテトを回し食いし、ケバブも食べる。こんな風な学生時代を送ったことが無かったので、ついつい「学生みたい!」と大喜びした。
電車に走って乗って、「またね!!」と別れる。あー、楽しかった!!
3.5(木)最高気温17度 晴れ
『レンタル・ファミリー』を観た。かつて歯磨き粉のCMでスターになったものの、今は落ちぶれた俳優のフィリップは、ある日「葬儀場で悲しむアメリカ人」の役を依頼され、仕事を受ける。そこでレンタル・ファミリー会社を経営する多田から正式に仕事を依頼されるようになる、という話。
みなさんは『ここがヘンだよ日本人』というバラエティー番組を知っているだろうか。私は多分ギリギリ知っている世代なんだけれど、「外国人から見た日本の変なところ」、をバラエティーに落とし込んだもので、司会は北野武。ここ最近この番組のことをしょっちゅう思い出していて、今もしこの日本でやったらヘイトスピーチバリバリで大変なことになるんだろうなと思いを馳せていた。『レンタル・ファミリー』には日本の変なところが沢山出てくるけれど、問題解決能力が日本人には無く、精神性だけで何とかしている、というものだった。テンポが良くてその力で見れるけれど、この映画が賞賛される今の日本に不安しかないわ。
図書館に寄って帰宅した。戦中の竹槍もそうだけれど、もうずっとこんな風にやっているんだろうな。
3.6(金)最高気温14度 くもり
『ウィキッド 永遠の約束』を観に。楽しみにしていたので初日に行けて心がはねた。「もう本当にかわいい~」「今日金ローでやるよね」とか初日らしい会話も聞けてさらにピョンと。
オズの国に隠されている秘密(オズは魔法使いではない、独裁政治、動物の迫害が始まっているなど)を知った「悪い魔女」エルファバと、「良い魔女」グリンダ。エルファバは迫害され、話すこともできなくなった動物たちのために戦い続けていたが、グリンダは希望の象徴として、移動する球体の中で笑顔を振りまき、国民たちのスターとなった。そんな中「カンザスから来た少女」が2人の物語を進めていく、という話。
独裁が始まる時にマイノリティがまずは犠牲になり、国民の恐怖を煽る象徴として利用されるのは世界共通で、それが現代では「移民」とか「トランスジェンダー」とかなんだろうけれど(日本においては「共産党」もそうなの?)、動物たちが森の中を励まし合いながら歩いていく場面では涙が出た。エルファバがみんなに結束し、行動を起こすように呼び掛けるが難しく、やるせない気持ちになっていく。それにしてもこんなにひどい目に遭い続けているのに、魔法で世界を滅ぼそうとしないエルファバのメンタルコントロール術はどうなっているの?ぜひご教授願いたい。
だいぶすっきりとして映画館を後にすることが出来た。前編を観た時には、帰りに参政党のヘイトスピーチに出くわして最悪だったけれど、今回は無事に帰宅。
3.7(土)最高気温17度 晴れのち雨
「とめよう原発!3.7全国集会」というものが代々木公園である、というので途中の駅でわざわざ下車し、生ハムとルッコラのサンドイッチ、明太子フランスを調達。いつもの蛍光グリーンのエコバッグに入れていこうとしたら、可愛いシュナウザーを撫でさせてもらえた。「人間大好き」だというその犬は「天気で気持ちがいいね」と言ったら尻尾をぴょんと振った。
また電車に乗り、代々木公園へ。B地区であるとのことだけれど、Bって何。途中で警察官がいたので道を聞いたら「ちょっと詳しくないんですけれど、多分あっちだと思います」とふんわり指を指された。一体何なら詳しいんだよ、と心中疑問を唱え、歩いて「B地区」の方へ。少し歩いたら左手にのぼりが沢山見えてきて安心する。
入ってすぐにプラカード兼、公園の地図を貰って、お金のかかり方の規模と、このアイデアめちゃくちゃいいなと感心した。新婦人のブースの方へ行き、居るはずだった友達が発熱で帰宅したことを告げられ、小さくしょげる。おしゃべりカフェをやるというので、そこにいたレイラ化粧品の人たちと話す。「東日本大震災の時何してましたか?」など。レイラ化粧品の商品である、水性マニキュアの赤を指に塗った。思ったよりすぐに乾いてありがたい。おしゃべりカフェの時間が終わり、ブースで憲法本を売ったのだけれど、すごく楽しかった。人生ほぼ初の売り子だけれど、声も通るし、才能あるかもしれない。やってみたいことの1つが試食販売の売り子なんだけれど、それが叶ったような感覚になる。
スピーチが始まるというので、ステージの方へ行きみんなで立ったまま話を聞いた。当たり前だけれど、東日本大震災は終わっていないし、原発の問題は何も解決していない。アメリカとかから見ると、日本は所狭しと原発が並んでいて、逃げ場がない。イスラエルがイランを攻撃し、海峡が封鎖され、「原発がなきゃいけない」という空気が高まっているけれど、本当にそれでいいの?
3.8(日)最高気温11度 くもり
午前中に仕事と家のことをやり、ボイチャをしながらメイクをして出発。今日は国際女性デー!ウィメンズマーチのコールが言いたくて参加を決めた。スタッフをやっている知人に連絡したら「旗を持つ人を募集しているんですけれど」と言われ、体力が心配だったけれど引き受けた。責任がある。
sisterが渋谷パルコで展示をやっているというので、うどんを食べた後に寄る。本とカットソー、映像の展示があり、ふせんで「好きなフェミ映画」を書いて貼るものがあったので『12日の殺人』を書いた。「フェミサイド」と明確に言っている映画は珍しかったから、と思って最近観たばかりでパッと書いたけれど、『おくびょう鳥が歌うほうへ』『IMMACULATE』『これからの私たち』とかいくらでもあったな。
ウィメンズマーチの集合場所に行って、旗を受け取る。一番乗りで選び放題だったので、青い「戦争反対 軍事化反対」にした。偶然にも自分の今日の服装は青と白のストライプのシャツに、白のロングアウターだった。良いものを持たせてもらえる。旗は一列目に並んで立つように指示され、一緒に歩く人たちと「よろしくお願いします」と挨拶をしあい、旗の文面を見せっこする。
後ろの列の人がマーチングバンド(吹奏楽だったかも?)で旗を持った経験があるというので「コツとかあるんですか」と聞けた。「風が吹いている方向に先をむけるとたなびくし、揃えると綺麗に見える」とのこと。今後旗を持つ機会が訪れるかもしれないので、左派のみなさんここ覚えといて。
車に先導され、ゆっくり歩きだしたけれど、警察がすぐ声をかけてくる。「車と間開いてますよ」「みんな待ってますよ」「急いでください」「もっと早く歩いてください」と、幾つもの「急げ」「邪魔だ」バリエーションをピッピと繰り出してきて、先頭の「WOMANS MARCH TOKYO」の旗を持っている人たちを急かしてくる。そこですぐに脇にいた黒いコートのスタッフが「ゆっくりでいいですよ」と私たちに声をかけてくれ、もうこれコントだよなという気持ちになった。でもあのスタッフの人がいなければ、どうしても焦っちゃってたかも。警察はデモ隊にもっとリスペクトを持て。
コールの「諦めない!」という箇所で何度も泣きそうになった。当然だけれど、女だから理不尽を許容しなきゃいけなかった経験が、数えきれないくらいあるし、何度も諦めてきて、心がくじけた。諦めないことが何よりも尊いと思うけれど、今の政権下ではそれもむなしい。「声をあげよう」とみんなで何度も文字通り声を上げた。普段言えないことを大きな声で言えて、思わず宮益坂の途中で「楽しいね!」と言ったら笑われた。きっとみんな同じ気持ちだったよね。忘れたくないくらい、最高に楽しかったよ。




