6.10(月)最高気温25度 曇り時々晴れ
毎日ご機嫌で生活したいが、なかなかそうもいかないらしい。改悪された入管法が今日から施行だ。こんなに排外主義を強めてどうしたいのか、全く分からない。多くの日本人にも、国としての日本にも何のメリットもない法律。むしろ不利益しかない。すでに日本には88万人の移住者がいて、とっくのとうに移民社会。こんな世界で生きていくのは「日本人」にとっても地獄だ。強制的に加害側にさせられてしまう感覚が拭えず、どんよりとしている。「自分だけよければいい」わけなんてない。社会は地続きだ。そもそも彼らだけで済むわけない。「外国人は危険」というのも何のエビデンスもない、偏見と差別だ。
『チャレンジャーズ』を仕事の合間に観に行った。主演のゼンテイヤがプロデューサーに名前を連ねるこの作品は、テニス映画なのだけれど、テニスをしたいという気にならず、運動音痴としては非常にありがたかった。幸いテニス漫画の傑作『しゃにむにGO』を読み込んでいたので何とかなったし。ていうかこの映画少女漫画にブロマンス要素多めにした感じだな。途中でテニスボール目線からの演出があって笑っちゃったよ。あれ、どういう意図?
帰りに釜玉うどんを食べた。朝に卵かけごはんを食べたので、卵2個目。夜は絶対卵抜きにしよう。
6.11(火)最高気温29度 晴れ
昨日の夜に漂白しておいた布巾を洗濯して干した。洗いが甘くて、一部汚れがついたままだけれどとりあえずいいや。洗濯機の老朽化もあるんだろう。この家電が壊れたら、といつもびくびくしている。久しぶりにキノコの雑炊を作った。賞味期限が1日過ぎた卵も使って栄養満点。これで冷蔵庫の中も少しスッキリした。
塾講師が生徒盗撮の記事を読んで心がざわざわする。
6.12(水)最高気温29度 晴れ
図書館で借りてきた『黄色い家』を一気に読み終えた。惣菜店に勤める花は、WEBのニュース記事で黄美子の名前を見つける。若い女性を監禁していた罪で逮捕されたというのだ。20年前、花は黄美子と一緒に「黄色い家」に住んでいた。という話。「作者初のノワール小説!」という見出しがついていたこの本はとても流行っていたらしく、図書館で1年近く順番待ちをした気がする。一時の「シスターフッド」の結果、という感じの話ですらっと。洗濯ものを外に干して、水出しのお茶を作ったりして家を出る。今日は映画を観た後、友達とパフェを食べに行く。
『ハロルド・フライ まさかの旅立ち』はサービスデーということもあり、混んでいた。主人公のハロルド・フライが老年だからか、髪が白い人々をロビーでこんなに見れるなんて。なかなかそういう機会がないから嬉しい。年寄りが旅をするという話に弱いからか、冒頭からうっすら涙ぐんでいた。予告だと、老年男性のもとに、かつての同僚女性から手紙が届き、「今自分はホスピスにいて、先が長くない」と告げられて、返事の手紙を出してすませるつもりが、歩いて会いに行く。という話なのだけれど、主人公のハロルドが結局自分のために、内省のために歩いているというのがいい。年をとるって、贖罪とか小さな秘密を抱えて生きることだと感じている。結局人の行動原理は自分のためなような気がするし。サム・リーの歌声が聞けたのもよかった。
複雑極まりない池袋駅を歩いて、目白に行く。今日はここでスイカのパフェを食べる予定。友達と一緒においしいおいしいと言いながら食べた。スパイスが色々使われていて、さっぱりしてて「パフェ」という言葉の響きを感じさせる良い食べ物だった。
6.13(木)最高気温25度 くもり時々晴れ
1日家にいた。お昼にサラダ蕎麦。残っていたキムチも乗せたので塩分が多めになった。もう少し薬味を常備する生活がしたいけれどうまくいかない。タオルケットを干したけれど、曇り気味だから、別の日にすればよかったと後悔。
6.14(金)最高気温32度 晴れ
暑い。8時台の映画を観るため、早めに移動。それにしても日差しが強くて、汗拭きシートを持って来ればよかったなと後悔。『ブルー きみは大丈夫』は今日が初日だ。子供向けの映画なので、子どもが沢山。チャイルドクッションを胸に抱えて可愛いな。この作品、なんだかんだ100分ちょっとあるけれど大丈夫かしら。すいません、ちょっとお邪魔させてもらいます。
『ブルー きみは大丈夫』は、母親を亡くしたばかりなのに、12歳の少女ビーが、ある日偶然出会った「IF(imaginary friend)」のブルーと話したり、父親が入院している病院にいる子供たちに「IF」を探してあげることで役割を見つけ、生き生きとしていくという話だ。『となりのトトロ』も親の役目をさせられているサツキがトトロが見えるという作りだったけれど、すごく似ている。意識してるのかな。ビーはおばあちゃんと一時的に住んでいるけれど「私はもう大人だから」と何度も何度も言っていて切なかった。「IF」文化が無い日本で生まれ育っているので、馴染みのない場面も多いけれど、よかった。でもこの映画、子どもが観てわかるのか?という表現がけっこうあったな。
図書館で本を借りて帰宅。午後からは仕事に出かけないといけないけれど、今日は家でお昼を作って食べよう。
6.16(土)最高気温31度 曇りのち雨予報
歩いてパン屋へ行って、パンを3つ買った。駅の中でベンチを探して早速食べた。マンゴークリームが間に挟まったやつ。マンゴーってなんでこんなに美味しいんだろう。今日は二子玉川である難民のものがたり展に行く。深田晃司監督、平田オリザのトークイベントにも申し込んだ。ファシリテーターはナッケン鯉都という方。非常に興味深い話を聞けた。
深田監督はジャック・デリダ『歓待』を手に持ち(本の題名がちゃんと見えなかったので、リンクは割愛する)デリダの言う「条件付き歓待」「絶対的歓待」の話をし、「歓待するときにいかに条件をつけてるか、同情しやすいキャラクターを作っているか」という話の後に「同情しにくい他者とどう付き合っていくか」という話をしていた。「デリダの言っていることが難しくて殆ど理解できていない」とも笑っていた。それに続いて平田オリザが「条件とつけないというのは、多分共同体の在り方自体を変えていかなけれえばならない」と言った。
平田オリザは兵庫県豊岡市で芸術文化学校専門職大学というものをやっているので、”先生”としての話が多かった。「うちの学校は、47都道府県全部の生徒がいる」とも誇らしげに言っていた。慶応大学を例に出していたが、慶応はほとんどの生徒が1都3県出身であり、さらに附属から生徒がかなりの数を占めるので、「境遇の違う他者を分かり合う」というのがなかなか難しいのではないか、とも。確かにそういうエリート層に私の実家がある地方のことを分かってもらうのは大変だ。話そうという気にもならないかもしれない。深田監督が言っていた「(映画における他者理解の役割という文脈で)映像というのは世界を知る窓である」と言っていたのが心に残ったな。とにかく2人ともにこやかな方で、社会への希望を捨てていないという姿勢がうかがえた。
最後にほんの少し、参加者からの質問コーナーがあったのだけれど、多分政治的イシューに取り組んでいる人が「周りに当事者でもないのに、なんでそんなに一所懸命声を上げるのかと言われてしまう。そういう時お2人ならどういう風に返すか」という質問をしていた。それに対し平田オリザは「以前NHKの番組制作の一環で、中学生が水俣病について取材し、それを伝えるというものがあった。けれど、水俣病は彼らにとっては巨悪すぎる。あの事件は大企業の犯罪だし、国からの対応も悪かった。伝えるのを止めたいという子がいて、自分はやめてもいいよ、と言った。でも君たちは、選ばれてここに来た優秀な人たちで、海外のエリート層にそれを伝える機会も得ている。そしてもう知ってしまっている。と言った」というエピソードを話した。すごく誠実だ。深田監督は「演ずる、表現することは他者を学んでいくことになる」と、ご自身の作品『淵に立つ』に関連した話をした。『淵に立つ』は名作なので、未見の方は是非。タイトルがまずとてもいいよね。
平田オリザは「ここにきている方たちは、政治的関心も高い、比較的裕福な方たちで、そうではない人たちにどう伝えるか」と繰り返し言っていたのがよかったな。演劇とか、エンタメの力に頼りたいところだと以前『線場のひと』のトークイベントでも登壇した2人が言っていたような気がする。
いい話を聞けたとほくほくして会場を出た。図書館で予約していた本も引き取って。夜ご飯は冷や汁にしたいので、豆腐を買って帰らないといけない。
6.16(日)最高気温29度 晴れ
あっつい。今日は近くで「街角政治イベント」があるので電車に乗って。たった1時間ちょっと、日傘もなしに横断幕を持って立っていたのでくたびれた。それでも来てよかった。選手村跡地のこととか、小池百合子が三井不動産の手足となっていることとか、知らないことが結構あった。森喜朗の時からめちゃくちゃだったらしいけれど、つまり小池百合子って森喜朗の想いを継いでいるっていうことで、自民党とずぶずぶってことだよね。「しがらみのない政治」を公約にして当選したのに嘘ばっかり。都立病院の独法化のことも、話題になったけれど忘れていた。元々公務員だったし、都立だからコロナ患者も積極的に受け入れていたという背景もあるのに。結局利権だっていうことに悲しくなる。木も切るし、時代と逆行する酷いレイシストを今回こそは落選させたい。七夕の日は都知事選に行こう。
汗だくの服を洗濯して、昼寝をして、少し回復したので夕方に散歩に行った。こんな暑いのに神宮だけではなく、日比谷公園の木も切るなんて。最低だ。どこの木も、むやみやたらに切るな。
平田オリザさん、以前ビクトリアにいらした際にインタビューさせていただきました。この秋彼の大学である学会に参加したい〜と思っているところです。