2025.6.9(月)最高気温26度 曇りのち雨
マドリーン号がイスラエルに阻止されたニュースに強いショックを受ける。日本ではグレタ・トゥーンベリが乗船していると報道されていたけれど、欧州議会議員のハマ・ハッサンも乗っていた。このエッセイにも出てきた『美と殺戮のすべて』のナン・ゴールディンも。乗組員たちは無事に祖国に帰れそうだけれど、ショックが大きい。丸腰の人たちをイスラエル軍が攻撃した。ガザに行って支援をするつもりだったんだろう人たち。外務省にメールを送って、日本政府として抗議するように頼む。本当に辛いニュースだ。
2023年10月の侵攻が始まった時に「今回のものは規模が違い、国連の職員も殺されている」と聞いた。調べたら本当にそうで、昨年11月の時点で243人。ガザ地区では5万人が死んだそうだ。東京ドームに入る人の数が5万5千人。太平洋戦争時の東京大空襲の死者が10万人、新潟県佐渡市の人口が5万人だ。
書いてみるとショックが大きい。自分の体験もあるが、こんなところで「命を大切に」なんて言えない。林原めぐみのブログの件もあり、落ち込むことしかない。断言するけれど、外国人を排斥しても私たちの生活は豊かにならないし、アニメが消滅するのは労働力を蔑ろにしたせいと、インボイスのせいだ。もし国が日本のアニメを本当に大切にするなら、守るために、育成に力を入れるはず。駆け出しのアニメーターを薄給にしないはず。それは介護とか別の仕事も同じで、日本政府のせいです。米が無いのも、自民党のやってきた減反のせい。マジで消費税減らせ、マジで与党潰せ。
今日はいいことがなかったけれど、ポストを見たらまーちゃんからのお手紙が入っていて、「わあっ」と声が漏れた。わくわくのそれを鞄に入れて銀行に行く。
6.10(火)最高気温21度 雨
雨と生理前のダブルパンチで寝ても寝ても眠い。眠いのに深く眠れない。スマホのバッテリーは82%しか充電されない。私はそれよりも性能が悪い。
『トリとロキタ』をU-NEXTで。ダルデンヌ兄弟の作品は『サンドラの週末』以来。『サンドラの週末』も、復職をかけた一人の女性が「自分を雇用するためにボーナスを諦めて欲しい」と同僚に頼みに行く地獄の週末の話で、マリオン・コティヤールがすごくよい演技をしている。興味がある人はこちらもぜひ。
『トリとロキタ』は、移民の血が繋がっていない偽りの姉弟。トリは難民認定を受け、学校に通えているが、姉のロキタは認定が下りない。そんな中麻薬を売ったり、体を売りながら祖国に送金している、という話。
本当に不条理な話で、知ってはいたが移民が生きていくことの苦労には、年齢も国も関係ないのだと知る。女性差別と同じで、どこか共通した苦しみがあるというのが、色々見聞きして分かったことだ。この作品もそうで、姉弟の絆だけが尊く、あとはただただ理不尽で辛かった。無駄なカットが全くなく、素晴らしかった。
日本学術会議の法案が通った。日本はさらに戦争に一歩近づき、正しい研究が行われず、気候変動もないことになる可能性が高い。生きていくのがさらにしんどく、幸せな作品を観ても、「夢物語」としか思えず、今夜も深く沈む。
6.11(水)最高気温23度 雨
傘をもちもち映画館へ。『年少日記』を観る前におにぎりを2つ食べる。ちょっと多かったな。
高校教師のチェンが勤める学校で、遺書の切れ端が見つかった。「私はどうでもいい存在だ」と書かれた文字にチェンは覚えがあり、書いた生徒を探そうと必死になる。同時に子どもの時の記憶も思い出していく。という話。
教育虐待の話で、おもったよりしんどかった。もっとちゃんと調べていけば良かったと思うくらい長く苦しい場面の連なり。この監督は長編一作目だということなので、どうしてもこれを書きたかったんだろう。終盤虐待について、自分は何もできなかったとチェンが後悔を吐露する場面があるけれど、後悔とか罪悪感とか感じる必要はないと慰めたい。ある「仕掛け」があるので、内容を詳しく書くことは避けるけれど、虐待は加害者以外、全員が被害者で、そもそもそういう罪悪感を与えるのが毒親だっていう。それにもう乗る必要はないんだと強く言いたい。自分としては父親との最後を見れたのはよかった。認知症の問題とかもあるんだよな。という構えもできたし。
辛くふらふらになり、帰りにパン屋でとうもろこしのパンをいくつか買った。
6.12(木)最高気温28度 曇り
今日は野菜が安い日だというのでスーパーへ。最近トマトのマリネが副菜として欠かせないので大量に買った。日中しょんぼりする出来事があったので、服屋へ。お気に入りのトマトレッドの麻のシャツを深いVのブラキャミの上に羽織って。少し恥ずかしいけれど、キャミを見せていく。
取り置きしておいてもらった花柄のブラウスはロマンティックで可愛い。あと、背中がスッキリ見えるのもいい。今年トレンドのリンガーカットソーも試着して悩む。「でもこれニット素材だから引っかかりがどうしても出てきますよね?」と言ったら「今度入荷してくるものなんですけれど」と別のカットソーのインスタを見せてくれる。こっちはTシャツっぽいので多少雑に扱っても大丈夫そうだね、と言いながらフムフム眺めて作戦会議。どうやったら体操着にならずにオシャレに取り入れられるのか、とかそういう。花柄ブラウスは着るとやっぱり最高にときめくというのと、色が晩夏まで使えそうだし、ボトムにスカートを合わせるのもアリだという助言をもらい購入を決めた。Tシャツはとりあえずおあずけ。
「夏になるととにかくぐったりして、服のケアとかも全然できなくて」と話したら「わかります、ホント湿気も多いし、自分のケアで精いっぱい」と笑いながら言われた。「ジェーン・スーはTシャツにアイロンをかけてるらしいけれど」と言ったら「きっとジェーン・スーは外国に住んでるからできるんですよ。日本は湿気が多すぎるから」と返ってきたので「いや、ジェーン・スーはペンネームで海外ルーツなわけじゃないんだよ!」と笑いながら話す。結果同じフロアにいた熱心な「互助会員(ポッドキャスト『オーバー・ザ・サン』のリスナーをそう呼ぶ)」があぶり出され笑った。落ち込んだことが無くなるわけじゃないけれど、すごくすっきりした。
ロマンティックなブラウスを着た写真をインスタに載せたら「お似合いでしたね」と夜のボイチャで言われて有頂天。褒められるって最高だ。お互いを最高の気分にしていきたい。
6.13(金)最高気温27度 くもりときどき晴れ
やる気が全く出ない。生理も遅れているし、調子が悪い。今回の生理は胸のはりが酷くて、先週からずっと歩いただけで胸が痛く、とにかく嫌だった。階段を降りる時、乳首が当たって痛い。こんなに生理前にパンパンになってしまうのは20代の時ぶりな気がする。出産した後とかこういう感じなんだろうな。萌え絵?エロ絵?の女の子たち、乳首が強調されている人たちが多いけれど、彼女らは胸が痛くて日々苦労していると思う。本当にあの絵たちは不快なので、ゾーニングして欲しい。現実とも乖離がありすぎる。
少し前に「PMSの時はとにかくお金を使いたくなる」と友達と話し、「あらゆる必要なものをその時に買うべく画策している」というライフハックを話したら感心された。「あらゆる必要なもの」とは、生理用ナプキン、吸水ショーツという小さい日常のものから、高級ブラウス、季節によっては下着まで。ただセールとかポイント還元とかがあるとついついその日に合わせるので生理はまったく関係なくなる。お金があったらなんとかなるんだろうけれど、増税に続く増税。侮辱としか思えない票集めのための2万円給付をSNSで検索したら、自民党の新人議員の10万円とか、そのお金で給食を無償にできるとか、介護士、保育士の賃金の引き上げが年間1兆から2兆で可能という話が出てきた。増税して全く社会保障に使われず、OTC類似薬の保険適用外しの話もある。あれだけ税金取って何ならできるんだ。っていう気持ちになっている。やる気が無いから、できるもんもできないし、向こうにこちらを思いやるメリットなんてないっていうのが正直なところだろう。
6.14(土)最高気温25度 曇りのち雨
夢の中でピクミンをやっていた。万歩計代わりに使っているピクミンウォークが「コミニュティディ」という歩くといつもより報酬となる果物が沢山もらえるイベントをやっている。今日は散歩に行きたいが、天気予報も良くないし、何より疲れている。今朝も生理は来てなかった。何度も何度も書いて申し訳ないが、予定通りに来ないというのは自分にとって大きなストレス。何となくさみしくて、もう何するか分からない。朝からスペースをやったら何人か来てくれて楽しく喋れた。自分は色んなことに簡単に憧れるけれど、全体的に解像度が低い気がする。ここはちゃんと反省したほうがいいな。
実は木曜に寿司を食べたいと思っていて、それもあって電車に乗ったのにブラウスを買ったら満足してしまい、寿司を忘れて帰宅してしまった。その時からずっと引きずっていた寿司を食べに散歩に行く。ピクミンもできるし一石二鳥。
ランチで1000円ちょっとの寿司を食べた。近くのテーブルに喪服姿の男女がいて、赤い顔をしながら寿司を食べ酒をくいくいやっている。男先生の葬儀の時を思い出した。女先生と会えただろうか、話はできたんだろうかと思い出す。そういえば先生夫婦と寿司って食べたことなかったな。いつも肉だった。肉にこだわりがあったわけじゃなくて、魚ばかり食べさせられている私たちへのサービスだったんだろうかとか思い出す。きっと魚が嫌いだったわけじゃなさそうだ。記憶の中の先生夫婦はふっくらして笑っているので、葬儀の時の痩せてしまった男先生のことをなかなか思い出せない。思い出されるのは本人にとっても不本意だろうか。スペースでも思ったけれど、この年になると急に亡くなる人が周りで出てくるよなとか色々思いながら、貝3種を追加して、おかわりのお茶を飲み、代金を払った。
帰りにスーパーによって、アメリカンチェリーと、一玉90円のキャベツを買った。今日はこれで雑ポトフにすると決める。キャベツはお腹にもいいから、生理前の便秘も解消できそう。あーあ、それにしても生理いつ来るんだろう。吸水ショーツも一枚しかないし、とぐじぐじ考えながらピクミンからもらった報酬を忘れず受け取りながら帰宅。
6.15(日)最高気温28度 曇りのち大粒の雨
今日は夜に入管法改悪反対のプロテストが新宿である。日中何をしようか思案して、(代わり映えしなくてエッセイの読者には申し訳ないが)映画に行くことにした。
『親友かよ』はタイの映画。高校3年生のぺーは、転校先で隣の席になったジョーと仲良くなるが、ジョーは事故で亡くなる。その彼が残したエッセイをもとにした映画を作ることで、大学に受験なしで入れるのではないかと企んだペーは、金と仲間を集めて映画を作る。という話。『バッド・ジーニアス』もタイ映画だったけれど、タイの受験事情とかそういえば全然知らないな。(元となった事件の舞台は中国)リメイク版が夏に公開らしいけれど。
ペーは動画づくりが趣味らしく、映画の中に映画がある作りで、デ・パルマやキューブリック、ノーランのオマージュを高校生が撮ったらこういう風になる、という映画ファンが喜ぶネタが沢山あって面白かった。後半ある仕掛けがあって、親友っていうのはどういうことなのか「定義」について考えさせるのだけれど、貧しくなればなるほど清廉潔白に生きるのは難しいと再確認させられる。
映画館を出て、入管法のスピーチを考えながらぶらぶらと少し散歩をした。やっぱり渋谷はインバウンドで駅の周りだけ局地的に混んでいる。歩くのも大変だ。夕方の渋谷は歩くことがあまりなく、時間が遅くなればなるほどすすけていく。それも含めて渋谷だ。朝方の渋谷は生ごみ臭くてねずみとかもいて、閉口した。もうずっとそうで、それはインバウンド関係ない。コンビニのゴミ箱に「持ち込まれる」のは気の毒だけれど、このあたりのコンビニ全部で東京都に「ゴミ箱の設置」を要望したりしないのかな。テロ対策だとしても、他国ではそうしてるわけだし、それってゴミ箱の撤去がテロ対策にならないってよそでは気づいたってことなのではと思う。
新宿で友達と合流して入管法改悪反対のスタンディング。スピーチを聞いていくけれど、しんどいものがいくつかある。東大生だという人が「自分の友だちにはクルドの人がいて、SNSから写真を盗用されてヘイトの文脈で拡散されている。自分がそれに対してSNS上で反論したら、ネトウヨから攻撃に遭った」という話をしていて、もう陰謀論じゃんと恥ずかしく悔しくなる。入管は「送還」するときに早朝やって来て手錠をかけて連れて行くので永住許可証が出ない人は自費で帰国するそうだ。それなのに連れて行くのだと。都合お構いなしだ。そのスピーチをした人が「彼らが本当に危険なら、あなたたちの生活は良くなったはずだ。良くなりましたか」と呼び掛けていて、ため息をつきたくなった。何も変わっていない。むしろ日本は最悪の方に行っている。米は高い、農家は補償されない。景気も悪い、金がない。
原稿を作ってたけれど、時間も押しているしと短く「私は永住許可出して欲しいし、別に困ってないし不法滞在者ゼロプランよりも裏金議員ゼロプランにして欲しい」と言ったら(多分)ウケた。本当は2010年にやってたキムタクと台湾の俳優がやった月9ドラマを引き合いに出して、この頃は永住許可はきっと簡単に出てた、ドラマの内容はとやりたかったけれど大粒の雨が降ってきてしまい、途中で切った。今書いていて気づいたけれど、ここ要りませんでしたね。すみません。
「大変なことになってきてしまった」雨から逃れて屋根のある駅に避難して外を眺めた。本当は後片付けもするべきだったんだろうけれど、眠くなってきてしまい帰宅した。少し電車に乗ったら雨が降ってなくて本当に局地的だったんだなと。