2025.7.7(月)最高気温35度 くもり
うつらうつらやっていたら、茗荷谷で今日も参政党神谷代表の第一声に抗議する行動があるらしい。途中で忘れ物を取りに行ったりバタバタしていたけれど、少しの遅れで行けそう。電車の中で昨日の桜木町の行動の配信アーカイブを聞いたけれど、涙が出そうだ。病気で出産を諦めた人、出産をしないと決めていた人、出産したいと思ったことが無い人、産婦人科医の人、昨日も書いたけれど市井の人の話が聞けるのが本当にありがたい。そもそも好きで病気になる人なんていない、神谷は今「農薬によってがんになる」などと発言し、農家から抗議を受けているらしい。そういうデマを振りまく政党を支持するってどういうことか。そもそも参政党って科学的データー出さないよね。それはもう学問への冒涜ともいえる。しょぼくれながら少し遅れて茗荷谷に着き、「スピーチするよね!」と顔見知りの人に言われ、昨日とほぼ同じだけれどさせてもらった。
もう会員ではないけれど、新婦人の人と会えてうれしい。道端で話していたけれど、話が尽きず、中央本部の一階で一緒にお昼を食べさせてもらい、色々喋った。ちょっと今回の選挙、本当に頑張らないといけないのだけれど、もうどうしたらいいのか分からんというのが正直な気持ち。止められないのかもな。でも、喋ってすごく元気になった。せっかく来たのだからとケーキ屋に入り、カフェスペースで食べ、焼き菓子を買って帰る。すっごくかわいいケーキだったし、もちろん美味しかった。カシスの酸味が効いているのがよかった。
7.8(火)最高気温35度 晴れ
あっつい。そういえば、この日記エッセイはもうすぐ2年になるんですが、なんで最高気温を書いているかというと「酷暑に耐えれない、気候変動を微力でも意識するため」という理由です。暑くて全部やる気が出ませんね。
午前中のうちに実家に帰省するときのお土産を買ったり、図書館で本を受け取ったりした。もう旅立つのに6冊も届いてしまい、仕方ないとはいえ、重い本のプレッシャーに負けそうだ。
7.9(水)最高気温34度 晴れ
ほんの少し干しただけで洗濯ものがパリパリになる。『子どものねだん バンコク児童買春地獄の四年間』を読み終えた。タイトル通りの本で、子どもを酷い状況から救出しようと奮闘するルポタージュなのだけれど、とにかく辛い。『コンセント/同意』のガブリエル・マツネフの名前が出てきてぎょっとする。彼の著作を当然のごとく読んだことが無いけれど、彼は子供を狙った性加害者たちの憧れの的で、彼の本はバイブルのように扱われていたんだろう。ふと思い出して『闇の子供たち』を少し見返した。この作品が私が児童買春を強烈に意識せずにはいられなくなった最初のもので、この話の主人公のことが最後まで少しわからなかった。けれど、『子どものねだん』には「ワニ男」として彼のような人がたくさん登場し、ちょっとだけ理解が進んだ気がする。強烈な性暴力、虐待の描写が続いて辛いですが、興味のある人は是非観てください。一応現場では子供に大人の裸を見せないというような配慮があったそうです。(でもきっと暴力描写のある脚本を見せ、流れとかは説明していたのではないかなと想像している。まだまだ不十分だと感じています)
吉良よし子が下北沢に来るということで選挙ボランティアへ。ビラをとにかく配る。途中で自民党の支持者に声をかけられ、「トランプの関税に対抗するには石破しかない」という持論を拝聴した。経済はもちろん大事だけれど、とにかくそこなんか。「対抗」ってどういうことなのか、聞けばよかったな。
途中で「日曜日桜木町でスピーチしてましたよね」と声をかけられて、心の中でジャンプ。「すごくよかったです」と言われて2トーンくらい高い声で「ありがとうございます!」と言った。言葉を間違ってしゃべっているし、とにかく泣いていて恥ずかしいんだけれど、そういう風に言ってくれる人に救われる。街宣がおわり、吉良よし子が帰るところに遭遇し、「ビラ受け取ってもらえましたよ、応援してます」と声をかけたら、「あっ」と言われたので「昨年、学芸大学でお会いしてるんです」と言ったら「そうですよね」と言ってもらえてうれしかった。ちゃんとこちらの目線で話をしてくれる、市民の、庶民の位置に立とうとする人をやっぱり押し上げたい。
7.10(金)帰省でそれどころじゃない
昨夜着ていたワンピースを洗濯して、とりあえず陽に当てる。昨夜遅くて、興奮して寝れなかったので頓服の眠剤を飲んだのだけれど、それが残りほわほわとしているけれど、昨夜着ていた紺色のワンピースを洗濯して干した。ある程度荷造りをしていてよかった。夏の常備菜の定番、オクラのおひたし、トマトときゅうりのナムル、ベーグルの朝ご飯。ダイエットした冷蔵庫は隙間が目立つ。とりあえず納豆があるから、どんなに疲れて帰京しても食べるものはある。
途中でいつもの玄米おにぎりを買い、スカスカの新幹線の中で柚木麻子『BUTTER』を読み終えた。もう何度目だろう。日本の女性にとって太るということは大変なことで、それは「客体」としての訓練をを子どものころから否応なしにさせられてきたからだ、という気持ちが読むたびに強固になる。私たちは何のために、誰のために生きているのだろう。王谷晶『パパヤガの夜』がダガー賞を受賞したニュースもあったし、ジェンダーギャップ指数118位の島国日本の女性が書いた小説が世界的に人気らしい。この2作、日本の男性も読むことが多いだろうけれど、これがフェミニズム小説だって分かるだろうか。
すでにバッテリー0みたいな状況で駅に到着し、母と合流。車に乗った15分間、ノンストップで愚痴を聞き、全ての語彙を使って労う。母の話を聞いてくれる人は、やっぱりまだ実家にはいないようだ。
7.11(金)最高気温32度 曇りのち晴れ
枝豆が出てきた。おばさんが「塩あり」と「塩なし」の枝豆を茹でて持って来てくれてるらしい。毎週木曜は野菜を持って来てくれる日だと母から聞いた。もうほとんど野菜を作らなくなった実家の野菜事情は親戚によって支えられている。午前中に父がふるさと納税で注文した肉が大量に届き、本当にお父さんは何でこんなことをしちゃうのだろうと、田んぼから帰って来た弟なおきと嘆きながら冷凍庫に詰めた。父の中では「みんな喜んでくれる」ということで終わっているのだろうけれど、料理する立場、管理する立場としてはたまったもんじゃないだろう。お昼にスパイスを入れたカレーを作り、みんなで食べた。
そんな風にしていたら、おばさんがきゅうりとトマトを持ってやって来て「いつもありがとう」とお礼を言い、肉を持って行ってもらう。私がいることで、母のメンタルを気にかける言葉をくれて、少し安心した。
7.12(土)最高気温31度 晴れ
土産として買って来たカステラを食べようと台所に降りたら祖母がいて、覗き込むと黒糖蒸しパンを食べている。最近これが祖母のお気に入りで1人で大量に食べるらしい。まだ「ご飯を食べていない」とかそういうことは言わないし、「食べれる」ものを食べているのだからいいと思うが、着実に認知症が進んでいると感じる。口数も少なくなった。昨日も夕飯の茄子とピーマン、豚肉のオイスターソース炒めを「東京ではこんげん食べれんろ」と言われ差し出されたので「これ、私が普段食べてるレシピで作ったんだよ。戦中じゃないから、東京はお金があれば何でも食べれるよ」と言ったら笑ってた。祖母の中では私はいつの間にか介護の仕事をしていることになっていて、本当に色々ごっちゃになっているんだなと。以前より祖母は幸せそうに見えるが、母の苦労を思う。母は昔本当に祖母にいびられていて、幼心に母を守ろうと必死だった。そんな母に介護を担わせている父と祖父に関しては、もう散々書いてきたので割愛する。
私だって、男の人のことを好きになりたいよ。でもこんな虐げられている現状でどうやったって思えるわけないだろ。しかも自分の家族が特殊なわけではなく、日本のほとんどの家で起きていることだろうなと想像している。少なくとも、この問題に関して男性のほとんどは認識していないし、解決能力も、解決する気もない。
頭が痛くて薬を飲んで少し寝た。あーあ、腸の中で善玉菌が死んだかもな。
7.13(日)ちょっと色々それどころじゃない
母と一緒に映画に行った後、母の実家に行く予定だったけれど朝から全員疲れた。母と父の言い争いに参入した結果、ちょっともうどうしようという気持ち。父は介護の「か」の字もしていないのに、偉そうすぎる。ケアマネの人とやり取りしているのは母だし、デイケアに行くときも準備をするのは母だ。先日父と祖父のやり取りを聞いたけれど、2人とも性格が悪すぎて、なおきのことが心配だった。「親の仇を子でとる」みたいな話がどこにでもあるんだなと思う。
母にストライキを薦めた結果、実行され、その間母は実家に遊びに行ってきた。でも帰ってきたら父は何も言わず、何事もなかったかのように接し、鼻歌まで歌っていた。もう本当に父にうんざりしている。今日も父の口から「じいちゃんに尊厳を損なわせるようなことは言えない」という言葉が出て、「お父さんから”尊厳”っていう言葉が出るなんてびっくりしてる」と言ったら「そりゃそうだろう」と言い放たれた。その”尊厳”ってお父さんが認めた人にしか適用されないし、私や母のことがまた無視されているような気持になり、もう帰京することにした。毎回早めて母には申し訳なかったけれど、もうちょっと心が砕け散る前に。
母の実家で作られた笹団子と、甘くて美味しいみかんを持たせてもらい新幹線の中で食べる。母を置いて逃げてしまったという罪悪感、後ろめたさをほんの少しでも父に感じて欲しい。さよなら。