2024.8.19(月)最高気温33度 晴れ
歯医者に行く。グーグルマップで口コミのバランスが良いところを見つけていて、何件か吟味して予約を取った。「サクラじゃないこともちゃんと確かめて」と友人からアドバイスをもらい、ちゃんとチェック。暑いので日傘をさしていく。また台風が来ているからか、湿気がすごくて、デニムの中を汗がしたたる。スカートで来ればよかったかな。
歯医者はなんかよさそうだった。新潟の歯医者からもらったアドバイス「レントゲンをちゃんと撮る」「カウンセリングにしっかり時間をかける」「あとは先生とのマッチング」の3点のうち、2点はちゃんと満たしているように思う。「先生とのマッチング」のところだけまだわからないけれど。それにしても年に2回定期検診に行ってたのに虫歯が4か所もあった…。ちょっともうショックすぎる。帰ってから前に行っていた歯医者の口コミを見たら、私と同じうようなひどい目にあった人のコメントがあって「ここで点数がいい人、他にレビューしてないし、サクラっぽいですよね?みんなだまされないで!」とあり、ハグをしたくなった。へこむね。確かに私も違和感を感じながら通っていて、なんで通っていたかと言うと「変えるのが面倒くさかったから」です。怠惰の結果がこれなんだとしたら、キツイね。
8.20(火)最高気温35度 雨のち晴れ
『東京裁判』を友達と観に行った。東京裁判がどういうものなのか、正直全く知らなかった。冒頭で崖から飛び降りる女性とか、マンハッタン計画の原爆実験の様子が短い映像で流れてそれにショックを受けたのだけれど、そんなの序の口でショックはまだまだ続く。被告の弁護人が「そもそも、これを裁く側の人達は、本当に裁く側にいれるのか」「あなたたちの価値観で善悪を決めることの不公平さ」についてとうとうと演説したそうだけれど、そこは記録にも残されていないらしい。えー、何それ。アメリカの今の蛮行を知っているから、ちょっと感動しちゃったよね。
「正義のために悪を倒す」というのが戦争の建前で、その帳尻を合わせるための裁判だったという印象が強いものだった。最後にじゃあ今世界はどうなっているのかと、第二次世界大戦後の争いの様子がダイジェストで紹介されて「この人たちはまったく約束を守っておらず、裁判は茶番だった」という印象になる。この辺ですすり泣きが結構聞こえたんだけれど、何で泣いてたんだろ。天皇が免罪されてるから?そんなわけないか。
途中で10分休憩を挟んだ4時間37分の作品を観たわけだけれど、「観てやったぞ」という達成感がすごい。こういう作品を観た後に話ができる人がいてよかった。帰りにお茶を飲んで帰宅した。
8.21(水)最高気温34度 曇りのち晴れ
『この村にとどまる』をようやく読み終えた。クロン村という実際に「失われた村」が舞台で、そこにかつて住んでいたトリーナという女性が語り手だ。行間で読ませるような書き方で、引き込まれる。ここ数週間能登のことを考えていて、それと関連して『スキップとローファー』10巻のあとがきで、作者の高松さんが「長期的な関心をお寄せください」と書いていたことや、未だにビニールハウスで暮らしている人がいることなどのニュースを思い出していた。そういう人に「そんなところ越せばいいのに」と心ない言葉をかける人が沢山いて、原発関連でもそういうことは多く聞かれる。私は祖父母に「ここを捨ててまたイチからやろう」なんて口が裂けても言えない。とか、そういうことをずっと考えている。実際にあった話がベースとなっており、「戦争もあって失われた」ので、ラストは想像がついたけれど、ただ、そばにいてくれるような良い本だった。
社会の嫌なことをずっと見るには体力と気力がいる。そういうものが全部ない世界に行きたい、もう何も自分で決めたくないという思考の果てにあったのが天皇制とか、宗教とか、今だったらAIなんだと思うけれど、その箱に物語が入っていてほしい。
8.22(木)最高気温33度 曇り時々雨
映画を観に行くと決めていて、いそいそ出かける。『助産師たちの夜が明ける』は思いのほか混んでいた。観て納得。だって、いい映画だもん。舞台はフランスのある産科。新人としてそこに配属されたルイーズとソフィアの目を通して描かれる物語なのだけれど、ドキュメンタリーのようだった。帝王切開で腹から赤ちゃんを出すところも、膣の近くもそこにピントを合わせていないとはいえ映すのだ。産婦人科が舞台となった日本の作品は『透明なゆりかご』しか観たことないのだけれど、中絶が選択肢のひとつとしてきちんとあるヨーロッパだからか、そこにいる人たちは産むという選択をしたひとたちばかり。
後半、急に作品の持つ空気が変わる個所がある。前半に伏線がきちんとあって、回収しただけなのだけれど、私はそこがたいへん気に入った。この監督の作品は初めて観たのだけれど、他のものも絶対観てみたい。映画館を出て前日から食べると決めていたメロンとバニラのソフトクリームを食べて帰宅する。
夜のボイチャで「いいものを観てきた」と映画の話をして、「あの中絶ビデオなんかより、こういうのを流して欲しい。帝王切開の様子とか、見たことなかった」と話した。3人の同世代の人たちの中で、あの赤ちゃんが逃げる、罪悪感を植え付けるためのビデオを見たのは私だけ。(中絶フェイク動画について知らない人もいるかもしれないので、リンクを貼っておきます。)そこで「私たちの時代って、出産しか選択が無かったよね」と話した人がいた。「妊娠したら中絶ではなくて、出産することが愛の証明で気持ち悪かった」と言っていた。その通りとしか言えない。本来「愛情」というものは独立したものなはず。でもその感覚が私もいまいちわからない。ロジックでは分かるし、「こういうことか」と閃くこともあるけれど、言語化への道はまだ遠そうだ。
8.23(金)最高気温33度 くもり
なんか寝ても寝ても眠くて、仕事をしているとき以外は基本寝ていた。夕方図書館に本を取りに行くとき以外はボーっとすごした。お昼にレトルトのカレーに、オクラ、マッシュルーム、トマトを添える。自炊したほうが体にいいけれど、毎日の自炊はメンタルに来る。レトルトカレーに野菜をプラスすることでなんとなく保っているような気がする。
夕方散歩ついでに図書館に本を取りに行った。星が出ていないのでつまらなかったな。夜に松田龍平が引きこもりの男性を演じるドラマ『0.5の男』を観終える。パワハラがきっかけで仕事を辞めて、引きこもりになった主人公。その人にパワハラ加害者をむりやり対面させるのって荒療治すぎるっていうかなんというか、ひどすぎないか?沖田修一監督はこれでいいのか?と疑問が止まらない。
8.24(土)最高気温33度 晴れ
仕事に行く前に洗濯。朝ごはんが足りなかったからか、お腹が空いてたまらず、合間にこっそり持ってきたおやつを食べた。「来週出張なんですけれど、ちょうど水曜だから、台風の影響は避けられなさそうなんですよね」と愚痴られた。「結構やばめなんですかね、今回」ととりあえず聞いているふり。どうやら「まだ影響は分からないけれど、結構やばいから、電車に影響があるかもしれない」らしい。「気候変動がどんどんひどくなっているから、これから毎年こういう感じになるんですかね」と言ったら、少し怪訝な顔をした後に「そうか~~」と言っていた。
仕事を終えて、久しぶりのスリランカカレー。前回はちょうど満席で別のお店で食べたんだった。ここの店がなんで好きかと言うと、席の感覚が広いし、スタッフの感じがとてもいいから。あと、添えてある副菜がゴーヤとか、季節のものなのもいい。カレーを食べながら、『はじまりのうた』を最後まで。公開当時にも観たのだけれど、主人公の服がとてもかわいくて大好き。ああいう赤いワンピースが着たくて探したっけ。エンドロールを観る前は「ラストはこれでいいのか?」と疑問だったし、アダムに怒りさえ湧いたけれど、そうだ、こういうエンドロールだったと納得。この主人公って「わきまえない女」だよな。
初めて行くパン屋でパンをいくつか買った。明日のごはんとおやつにしよう。
8.25(日)最高気温33度 晴れ
今日はいくつか予定があるからかうまく寝れなかった。変な時間に起きたので朝ごはんは2回食べた。メロンパンと納豆ご飯の朝ご飯。あとリコピンを摂るべくトマトもたくさん。
肌をなんとか白くしようと涙ぐましい努力をしている。もうこれ以上なんともならないし、自分が滑稽に思えるくらい不味いリポソームも飲んでいる。それでもなお、もう執念のようになっているのは何でだろう。『美容は自尊心の筋トレ」』ももう2019年の本。著者の長田安奈が何年か前にSNSで「この本も今読むと少し古いなと思う箇所がいくつかある」という旨を言っていたと記憶している。私はちゃんと自分のために美容をできている?そんな気持ちに何も区切りがつかないまま、もうすぐ41になる。
今日はフェミニズム的な集まりへ。10人くらいでおしゃべりできるとても楽しい会で、約2か月に1回あるこれがひそかな楽しみ。『ある協会』みたいだななんて、こっそり思っていたりする。近況で「最近何してた?」を話すのだけれど、そこで「都知事選の結果に憤って、そのまま新日本婦人の会に入りました」と言ったら少しざわめいた。「すごい」とも言われた。その後に『助産師たちの夜が明ける』の感想を少しだけ話した。こういう話ができる場がもっともっとあればいい、と平凡だけれど思う。
帰りに祖母の認知症の相談を少しだけして終わった。「認知症って、本当にどちらか倒れるまでおおごとだって認識されないことが多い」とも言われた。そんな後味の悪いことが日本中で起きていると思うと胸がきゅっとする。本当は今日も映画を観に行きたくて、渋谷方面のホームまで降りたけれど、なんとなく疲れて帰宅する。明日こそは絶対に行くぞ。